こんな悩みを解決します
今回はラブアン法人の概要から、実際にマレーシアであったラブアン法人にまつわる恐ろしい話をしていきます。
- これからマレーシアに移住したいと思ってる方
- オプション法人を設立したい思ってる方
上記のような方は、本記事を最後までじっくり読んでください。
本記事を最後まで読まずに行動してしまうと、数千万・数億円の損失を出してしまう可能性もあるので、じっくり読むことをおすすめします。
私は2022年からマレーシアでセミリタイアをしており、現在はタイ・バンコクに住んでいます。
そのため現地の生の声を反映した、リアルな情報になっていますね。
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【マレーシア移住】ラブアン法人とは?
ラブアン法人とは、マレーシア連邦領内のラブアン島という金融特区に設立される法人のことを指します。
ラブアン島はボルネオ島の北部に位置し、香港よりも小さな島です。
この特区では税制優遇が受けられるため、多くの企業がラブアン法人を設立していますね。
実際に訪れてみると、非常に小規模な島であり、施設等も限られていることがわかります。
ラブアン島設立の背景
歴史的には、ラブアン島はかつてイギリスの植民地でした。
第二次世界大戦中には日本軍によって占領されたこともあり、日本とのゆかりも深い土地です。
そこでマレーシア政府は、ラブアン島を「第2の香港」として発展させることを目指し、外資誘致のための特区として設置した流れですね。
ラブアン法人の特徴として、
- 外資100%での法人設立が可能である
- 様々な税制優遇を受けられる
主に上記2点が挙げられます。
これらのメリットにより、ラブアン法人は外資系企業や個人起業家の間で人気な島となりました。
しかしながら、本記事で説明するように、現在では「人気があった」という過去形で表現する方が適切ですね。
ラブアン法人を取り巻く環境は変化しており、以前ほどの魅力を失っているのが現状です。
ラブアン法人のメリット3選
それではまず、ラブアン法人のメリットから紹介していきます。
1.法人税3%
ラブアン法人の最大の特徴は、経済実体要件を満たすことで法人税率が3%になることです。
これはアジア地域において最も低税率であり、法人を設立する上で魅力的な条件となりますね。
他のアジアの主要な金融センターと比較すると、ラブアン法人の税率の優位性が明確になります。
たとえば、
- 香港
- シンガポール
の法人税率は条件によって変動しますが、8%から17%前後です。
これらと比較すると、ラブアン法人の3%という税率は破格の安さだと言えるでしょう。
ただし、この3%という低税率を適用するためには、後述する経済実体要件を満たす必要があります。
これは単なるペーパーカンパニーではなく、実際にラブアン島で事業活動を行っていることを証明するための条件です。
2.就労ビザの取得
ラブアン法人のメリット2つ目は、就労ビザの取得ができることです。
ラブアン法人を設立することで、経営者自身が就労ビザを取得し、マレーシアに長期滞在することが可能になります。
この就労ビザは、ラブアン法人を維持し続ける限り、2年ごとに更新することができます。
理論上は無期限でマレーシアの滞在が可能です。
マレーシアが人気である理由
マレーシアは、様々な理由で外国人に人気の国です。
具体的には、
- 学生
- 現地就職者
- 子供の留学
など、多様な目的で多くの人々が滞在しています。
さらにそれだけではなく、
- 株式投資
- 暗号資産取引
に対する課税がゼロなので、投資家・起業家にとっても魅力的です。
世界中を見渡しても、ケイマン諸島やバハマなどの小さな島国を除けば、ドバイの次くらいに税制優遇がある国といえるでしょう。
また、マレーシアは住みやすさと日本からの近さを兼ね備えており、これらの条件を総合的に考慮すると、税制優遇のある国の中でも高い評価を得ています。
マレーシア移住のメリットに関しては別記事で詳しく解説しているので、ご参考ください。
マレーシアは投資家に最適な移住先
特に、法人を持たず、暗号資産や株式投資で収入を得ている人にとっては、マレーシアに居住することが最適な選択肢となる可能性が高いです。
個人所得税を完全にゼロにしたい場合は別の策が必要になりますが、投資収益に対する課税を避けたいだけであれば、マレーシア居住で十分な効果が得られます。
実際に、純資産が1億円から10億円程度ある投資家であれば、暗号資産のステーキングや株式投資の配当だけで年間数千万円の収入を得ることも可能ですよね。
知人の暗号資産長者の方は、マレーシアに住んでる人が多いです。
このような場合、事業を行う必要もなく、個人所得税を考慮する必要もないため、マレーシア居住は非常に魅力的な選択肢となります。
因みに暗号資産投資に関しては、海外取引所を利用し、かつ国内に送金しない場合、タイでも同様の税制メリットを享受できるので、タイ・マレーシアに住んでる人が多いですね。
しかし、総合的な生活環境を考慮すると、多くの投資家がマレーシアを選択している傾向があります。
3.国際的な商取引の拠点
ラブアン法人のメリット3つ目は、国際的な商取引の拠点として機能することです。
ラブアン島は世界的に認められたタックスヘイブンであり、国際的な商取引を簡単に行うことができます。
特に金融機関を中心とした世界の外資系企業から高い人気を得ていますね。
ラブアン法人の場合は、税制優遇を受けるためには経済実体要件を満たす必要がありますが、これは他のタックスヘイブンと異なる部分です。
- セントビンセント
- セーシェル共和国
- マーシャル諸島
- ケイマン諸島
世界には上記のように様々なタックスヘイブンが存在しますが、ラブアン法人はEUやOECDから認められたホワイトリストに掲載されているという特徴があります。
このため、他のタックスヘイブンと比較すると、OECDからの圧力が比較的弱く、国際的な取引がしやすい環境が整っていると言えます。
ラブアン諸島に拠点をおいている企業
実際に、世界的に有名な金融機関の多くがラブアン島に拠点を置いています。
日系企業の例としては、
- 野村総合研究所
- みずほ銀行
- 東京海上日動
などが挙げられます。
どれも日本を代表するメガバンクや大手証券会社です。
外資系企業では、
- ゴールドマン・サックス
- JPモルガン
- ドイツ銀行
- シティバンク
などの世界的に有名な金融機関がラブアン島に拠点を持っています。
これらの企業は、皆さんも一度は耳にしたことがあるような世界有数の金融機関でしょう。
このように、多くの著名な金融機関がラブアン島に拠点を置いているという事実は、ラブアン法人が国際的な商取引の拠点として高い信頼性と利便性を持っていることを示しています。
マレーシアの税制一覧
マレーシアの税制は、ラブアン法人以外にも魅力的な点が多くあります。
ここでは、上記の主要な税制について詳しく説明します。
1.ラブアン法人の法人税
ラブアン法人を保有し、経済実体要件を満たしている場合、法人税率は3%となります。
これは非常に低い税率であり、多くの企業にとって大きなメリットです。
2.マレーシアの個人所得税
マレーシアの個人所得税は日本と同じく累進課税制度を採用していますが、最高税率は30%と比較的低くなっています。
この最高税率が適用されるのは年収200万リンギット(約6,600万円)以上の場合です。
最高税率まで適応される人は少ないのではないでしょうか。
日本の場合、所得4,000万円超で最高税率45%(住民税込みで最大55%)が適用されることを考えると、マレーシアの個人所得税制度はかなり緩やかであると言えます。
3.住民税・金融所得課税・暗号資産に対する課税
マレーシアでは、住民税・金融所得課税・暗号資産に対する課税が全て0%です。
金融所得課税とは、株式投資のキャピタルゲインやインカムゲインに対する課税を表します。
特に、
- 金融所得課税
- 暗号資産に対する課税
上記2つの税制メリットは、投資家にとって非常に有利な環境であるでしょう。
4.消費税
消費税に関しては、
- サービスに対して6%
- 物品に対しては5%または10%
の税率が適用されます。
5.贈与税・相続税
マレーシアでは贈与税と相続税も0%です。
ただし日本の税制上、贈与者と受贈者の両方が海外に10年以上居住していない場合、日本での納税義務が生じる可能性があるので注意してください。
逆に言うと、日本の税制から逃れるためにはそこまでしないといけません。
日本の税制は怖い上にひどいですね。
そこまでして国民から税金を搾り取った上で、
- 政治家は全然税金払わない
- 税金を自由気ままに使っている
状態です。
もう日本に納税する必要ないと思うので、みんなで海外移住しましょう!
6.国外源泉所得に対する課税
マレーシアでは、国外源泉所得に対する課税も0%であり、これは非常に重要なポイントです。
その理由は、オフショア法人と組み合わせることで、法人税と所得税を全て0%にすることが可能だからですね。
マレーシアの場合、国外源泉所得を国内に持ち込まないという制約がつきます。
このような税制は、世界的に見ても非常に優遇されたものであり、マレーシアが多くの起業家にとって魅力的な国である理由のひとつとなっています。
住みやすさと合わせて考えると、マレーシアは「神のような国」と言っても過言ではないでしょう!
以上がマレーシアの主な税制一覧です。
続いて日本の税制を振り返り、どれだけマレーシアの税制が優遇されているかを比較しています。
【税制比較】マレーシア VS 日本
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
法人税 | 約30% | 3% |
個人所得税 | 最高税率45% (所得4,000万円以上) | 最高税率30% (所得6,000万円以上) |
住民税 | 10% | 0% |
金融所得課税 | 約20% | 0% |
暗号資産に対する課税 | 最大55% | 0% |
消費税 | 10% | サービス:6% 物品:5% or 10% |
贈与税 | 最大55% | 0% |
相続税 | 最大55% | 0% |
国外源泉所得課税 | 全所得課税 (国内源泉所得よりやや低税率) | 0% (国内に持ち込まない場合) |
マレーシアの税制がいかに有利であるかを理解するために、日本の税制と比較してみましょう。
1.法人税
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
法人税 | 約30% | 3% |
日本の法人税は実効税率で約30%に対し、マレーシアのラブアン法人では3%です。
マレーシアの法人税3%は、ラブアン法人の経済実体要件を満たしている前提ですね。
日本の法人税は、一般的に、
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
上記3つを合わせたものを指しますね。
資本金が1億円以上か1億円未満かによって税率は変わりますが、これらを合わせた実効税率は概ね30%となります。
法人税だけでも、日本はマレーシアの10倍かかることが分かるでしょう。
2.個人所得税・住民税
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
個人所得税 | 最高税率45% (所得4,000万円以上) | 最高税率30% (所得6,000万円以上) |
住民税 | 10% | 0% |
続いて、個人所得税と住民税です。
まず個人所得税は日本・マレーシアともに累進課税制度を採用していますが、日本の場合は最高税率で45%かかります。
- 所得900万円~1,800万円:33%
- 所得1,800万円~4,000万円:40%
- 所得4,000万円以上:45%
上記のように、日本の累進課税では所得900万円以上で所得税33%以上となりますが、マレーシアの場合は所得6,000万円以上で最高税率の30%です。
住民税に関しても、マレーシアは0%に対し、日本では10%になります。
たとえば年間1,000万円稼いだ場合、ただ日本で生活しているだけで、100万円分は取られるということですね。
さらにその取られた税金は、
- 政治家によって愛人に貢がれる
- 政治パーティーに使われる
だけです。
私は二度と日本には納税したくないですよ。
腐りきった日本に納税するぐらいであれば、私はタイやマレーシアに納税したいです!
3.金融所得課税
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
金融所得課税 | 約20% | 0% |
次に金融所得課税についてです。
金融所得課税とは、株式のインカムゲインやキャピタルゲインのことですね。
金融所得課税は、日本では約20%徴収されますが、マレーシアは0%になります。
4.暗号資産に対する課税
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
暗号資産に対する課税 | 最大55% | 0% |
日本の暗号資産に対する課税は、本当にひどいです。
マレーシアでは0%に対し、日本は最大55%とられます。
日本の場合、暗号資産に対する所得は雑所得に計上されてしまうので、最大55%かかってしまいますね。
5.消費税
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
消費税 | 10% | サービス:6% 物品:5% or 10% |
消費税は日本は10%です。
6.贈与税・相続税
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
贈与税 | 最大55% | 0% |
相続税 | 最大55% | 0% |
続いて、贈与税・相続税についてですが、こちらも非常に差が大きいです。
マレーシアの贈与税・相続税は0%に対し、日本は最大で55%にも達します。
これは、一生懸命稼いだ財産を次世代に引き継ごうとしても、半分以上が失われてしまうことを意味します。
そのため多くの人が、
- 海外移住
- 戦略的な離婚
など、様々な方法を用いて贈与や相続の税負担を軽減しようとしています。
7.国外源泉所得課税
項目 | 日本 | マレーシア |
---|---|---|
国外源泉所得課税 | 全所得課税 (国内源泉所得よりやや低税率) | 0% (国内に持ち込まない場合) |
最後に国外源泉所得課税についてです。
日本は全世界所得課税を採用しており、日本の居住者である限り、所得がどこで発生しても日本に税金を納める必要があります。
ただし、国外源泉所得に対しては国内源泉所得よりも若干低い税率が適用されますね。
マレーシアで資産形成を加速させよう!
このように、マレーシアの税制は日本と比べて圧倒的に有利であることがわかります。
東南アジアには、マレーシアのように税金が非常に低い国や税制優遇が受けられる国が多く存在します。
このような国に移住するだけで、資産形成のスピードを大幅に加速させることができるでしょう!
マレーシア移住による資産形成に関しては、別記事で詳しく深掘りしています。
日本の税金の使い道
日本の納税には多くの問題があります。
税金が高いこと自体は必ずしも悪いことではありませんが、その使い道に疑問を感じる場面が多いのが現状です。
たとえば、
- 政治資金パーティーでの無駄遣い
- 愛人への貢ぎ金
- 政治家の脱税
など、納税意欲を削ぐニュースが後を絶ちません!
税金の高い低いも重要ですが、それ以上に重要なのは「気持ちよく納税できるかどうか」です。
この点で、日本の現状には多くの課題があるので、多くの人が海外移住を選択していると思います。
税金を納めるなら、
- マレーシア
- タイ
- ドバイ
- フィリピン
など、努力している国や自分が好きな国に納税する方が有意義だと思いませんか?
結論、お金は気持ちよく有意義に使うことが人生において最も重要です。
マレーシアへの移住は、その一つの有効な選択肢となるでしょう。
【ラブアン法人】税制優遇を受けるための経済実体要件
ラブアン法人で税制優遇を受けるためには、単に法人を設立するだけでは不十分で、経済実体要件を満たす必要があります。
これを満たさない場合、マレーシアの一般法人と同じく24%の法人税が適用されてしまいます。
経済実体要件を満たすためには、通常、専門のエージェントに任せることができますが、条件を自身で理解しておくことも重要です。
経済実体要件は以下の3つになります。
1.ラブアン島に営業所を構える
1つ目の要件について、物理的なオフィス=営業所を持つ必要がありますが、自身で賃貸する必要はありません。
多くの場合、エージェントが所有するオフィスの一部を割り当ててもらうことで対応可能です。
2.ラブアン島の居住者を2名雇用する
2つ目の要件に関しては、ラブアン法人では必ず2名のラブアン居住者を雇用しなければなりません。
この要件は、
- セーシェル共和国
- セントビンセント
- マーシャル諸島
- ケイマン諸島
など他のタックスヘイブンと異なるポイントです。
この雇用にかかる費用は年間100万円から120万円程度ですね。
ただし、実際にはこれらの従業員が実質的な業務を行わないケースも多いようです。
3.ラブアン島内で一定額以上の支出がある
ラブアン島内で年間5万RM(約150万円)以上の支出が必要というものです。
これには従業員2名の給与なども含まれるため、通常は意識せずにクリアできる条件となっています。
ラブアン法人で運営できる業種
ラブアン法人で運営する事業が特定の業種に該当する必要があります。
たとえば以下のような業種が該当しますね。
- 銀行業や保険業などのライセンスを受けた金融事業
- 管理業務
- 会計業務
- 法律業務
- 人材管理業務
- 代行代理関連業務
これらのカテゴリーは比較的広義に解釈できます。
オンラインのコミュニティやスクールを運営している場合、「管理業務」としてカテゴライズすることもできますね。
このように、一見厳しそうな条件も実際にはある程度柔軟に解釈できる場合があるため、特殊な事業でない限り、この点をあまり心配する必要はないでしょう。
ラブアン法人を避けるべき2つのデメリット
ラブアン法人には多くのメリットがありますが、同時に避けるべき重大なデメリットも存在します。
ここでは、ラブアン法人を避けるべき2つの理由を解説していきます。
1.政府リスク
ラブアン法人を推奨できない最大の理由は、政府リスクの高さです。
海外移住者にとって、法人を設立する国の政府の安定性は重要な要素ですね。
しかし、マレーシア政府は不安定であり、ラブアン法人をメインの事業体として運用することはリスクが高いと言えます。
【例】マレーシアの政府リスク
政府リスクの具体例として、2021年に起きた出来事を紹介します。
3%の法人税率で世界的に人気を集めていたラブアン法人でしたが、マレーシア政府が突然、税率を24%に引き上げると発表しました。
さらに問題なことは、この増税が過去3年間にさかのぼって適用されると宣言されたことです。
つまり、過去3年間の3%と24%の差額である21%を、遡って支払うよう求められたわけですね。
完全なる追加徴税なので、信じられないです!
これは世界中の外資系企業や個人起業家にとって大きな衝撃となりました。
多くの企業や個人が訴訟を起こし、裁判では勝訴しましたが、最終的には3年分の差額21%を支払わざるを得なくなったと聞いています。
この突然の追加徴税は、多くの事業者に大きな財政的負担とストレスをもたらしました。
このような政府リスクがあるため、世界中に様々なオフショア法人の選択肢がある中で、あえてラブアン法人を選択する必要性は低いと言えるでしょう。
ラブアン法人が効果的に機能していたのは、約5年前から10年前の間だけの話ですね。
2.維持費が高い
ラブアン法人を避けるべき2つ目の理由は、維持費が高額であることです。
実際の運用経験から、その具体的な内訳と総額を見てみましょう。
【例】ラブアン法人の維持費用
まず、法人の基本的な維持費として、以下のような費用が発生します。
- 2名分のラブアン島居住者の雇用費用
- 会計監査の代行費用
これらだけで年間約300万円の費用がかかります。
さらに、役員報酬として毎月30万円(年間360万円)を自身に支払う必要がありますよね。
この360万円分の個人所得税は、様々な控除によって変動しますが、おおよそ年間40万円から60万円程度になります。
加えて、3%の法人税を考慮する必要があるでしょう。
たとえば、
- 売上5000万円の場合:150万円の法人税
- 売上1億円の場合:300万円の法人税
です。
これらを合計すると、年間の維持費は大体以下の金額です。
- 年間純利益5000万円の場合:400万円~500万円
- 年間純利益1億円の場合:600万円~700万円
確かに、日本での課税と比較すれば低いですが、他のオフショア法人と比較すると非常に高いですね。
他のオフショア法人を具体的に説明すると、法人税が0%の上、以下のように年間維持費も大幅に低く抑えられます。
- UAE(アラブ首長国連邦):年間200万円前後
- セーシェル共和国、マーシャル諸島、セントビンセント、ケイマン諸島などの小規模な島国:年間5万円~40万円程度(税理士の代行費用を含む)
ただし、銀行口座の開設が難しいなどのデメリットはありますね。
結論として、マレーシアは居住地としては魅力的な国ですが、節税目的でのラブアン法人の運用は推奨できません。
昔は低コストで運用できた時期もありましたが、現在では高額な維持費と政府リスクの両面から、ラブアン法人の魅力は大きく低下しています。
マレーシアに移住する方法は?
マレーシアへのビザ取得はそこまで難しくないので、ラブアン法人にこだわる必要はないでしょう!
主なビザ取得方法は、以下5つです。
マレーシア移住に関する詳しいビザ情報については、別記事で詳しく解説しています。
1.デジタルノマドビザ
デジタルノマドビザは最近導入された2年間滞在可能なビザで、比較的取得のハードルが低いとされています。
2.MM2Hビザ
MM2Hビザは長期滞在向けのビザですが、現在は新規発給が一時停止されています。
最新の発表では、条件が改悪されており、マレーシアで居住用不動産を購入する予定がある方以外は選択肢に入らないでしょう。
代わりに長期滞在向けにはPVIPが注目されていますね。
長期滞在向けビザの最新情報が気になる方は、以下記事をご確認ください。
3.既存のラブアン法人経営者との連携
既存のラブアン法人経営者とつながり、就労ビザを2名分出せる枠を1つ使わせてもらう方法があります。
4.マレーシアの一般法人での雇用
また、マレーシアの一般法人での雇用を通じてビザを取得する方法もありますよ。
これらは、既に現地で事業を展開している経営者とのネットワークを活用する方法です。
5.短期滞在向けビザ
短期滞在の場合は、ビザランと学生ビザを組み合わせることで、1年程度の滞在ができるので、この方法でもいいでしょう。
これらの方法を考慮すると、わざわざラブアン法人を設立して就労ビザを取得するスキームを採用する必要性は低くなっています。
オフショア法人に関しても、ラブアン法人以外にも優れた選択肢が多数存在しますからね。
このように、マレーシアへの移住を検討する際は、これらの新しいビザオプションや既存の法人との連携などを検討すればOKです。
もはや、ラブアン法人の設立は最適な選択肢とは言えなくなっています。
まとめ:ラブアン法人はオワコン
本記事では、ラブアン法人の概要、メリット、デメリットについて解説してきました。
結論として、現在ではラブアン法人を設立する意義はほとんどないと言えるでしょう。
私自身も過去にマレーシアに2年間滞在し、その間ラブアン法人を運用していました。
しかし、現在では別のオフショア法人に切り替え、ラブアン法人は会計監査終了後に閉鎖する予定です。
海外で資産形成を行う際には、時代の流れに応じてオフショア法人を最適化していく必要があります。
たとえば、
- 銀行口座の開設が困難になる
- 法人税率が上昇する
- 法人の維持費が高騰する
上記のような変化が考えられるでしょう。
このような変化に応じて、別のオフショア法人に乗り換えたり、新しいビザを取得したりする必要が出てきますね。
海外での資産形成を成功させるためには、以下の3点を考慮しておくことが重要です。
- どのオフショア法人が最適か
- どの銀行口座と連携するのが最良か
- どのビザを取得するのが最適か
これらの点を常に最新の情報で検討し、必要に応じて戦略を変更していきましょう。
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