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暗号資産富裕層の新戦略:BTCを売らずに海外プライベートバンクで運用する方法

暗号資産で海外プライベートバンクは開設できるのか

近年、暗号資産で大きな資産を築いた投資家の間で、「保有資産は十分にあるのに、伝統金融の上流サービスには入りにくい」という壁が顕在化してきました。

本稿が提起しているのは、まさにその壁をどう越えるかという論点です。

本稿の結論としては、「暗号資産そのものを資金証明にするのではなく、暗号資産を担保に米ドル流動性を調達し、その資金で海外プライベートバンクに接続する」という発想にあります。

この論点が重要なのは、暗号資産の保有額と、金融機関に受け入れられる資産性は、必ずしも同義ではないからです。

FATF(金融活動作業部会)は、2025年のアップデートでも、暗号資産とVASPをめぐるAML/CFT対応について、依然として強い国際的対応が必要だと強調しています。

つまり、暗号資産が一般化したとしても、国際金融の現場では依然として「資産の出所」「取引履歴」「相手先の健全性」が厳しく見られるということです。

海外プライベートバンクが暗号資産富裕層に慎重になりやすい背景は、ここにあります。

暗号資産を売らずに”伝統金融”へ入ること

本稿の核となるスキームは、

ビットコインやイーサリアムをそのまま持ち込むのではなく、まず担保化し、そこから米ドルを引き出し、その流動性をもって海外プライベートバンクを活用する

というものです。

暗号資産担保ローンの一例としては、LTVはおおむね70%、金利は2〜2.5%程度、さらに海外プライベートバンクの利用開始ラインは概ね100万ドル規模となります。

ここでの本質は、暗号資産を売却して課税や市場離脱を受け入れるのではなく、担保化によって保有を維持しながら、伝統金融が受け入れやすい形の流動性へ変換する点にあります。

暗号資産富裕層にとって、これは単なる資金調達ではありません。

ポートフォリオ全体を、より制度化された金融インフラへ接続するための“入口”なのです。

通常は、暗号資産担保ローンで引いたローンをプライベートバンクに預け入れること自体が難しいのですが、今回は海外でありがたいご縁に恵まれて、それが可能となったということです。

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なぜ海外プライベートバンクなのか

海外プライベートバンクの魅力として、国内より低コストで、かつ債券運用の選択肢が広い点があります。

海外のウェルスマネジメント口座やプライベートバンクでは、日本国内のリテール向け販売に比べて、商品アクセスや価格透明性が高い傾向があります。

また、海外プライベートバンクで最も魅力的なのは、「債券で年10%前後を狙える」という部分です。

2026年3月19日時点で、ICE BofA US Corporate Indexの実効利回りは5.08%です。

これは米ドル建て投資適格社債の代表的な水準であり、プレーンな投資適格社債ポートフォリオの期待利回りが概ねこの近辺にあることを示します。

したがって、債券だけで安定的に10%を出すのではなく、10%に近づけるためには、

ロンバードローンを活用して、担保に入れた債券を再び借入余力へ変え、1.7〜2倍程度のレバレッジをかける発想が前提になります。

例えば、5億円分の債券を購入し、それを担保にして、LTV70%で3.5億円を借り入れて、それを同じ債券に再投資するとします。

このケースの場合、合計8.5億円を5%で回すことになるので、年間4250万円のクーポンが安定的に入り続けます。

金利は、現状、スイスフランの場合は1%前後であることが多いので、仮に1.3%だとして、年間455万円の金利支払いが発生します。

この金利の支払いを差し引いて、正味で年間3795万円の運用利益が得られます。

これは利回りで表現すると、3795万円/5億円×100=7.59%です。

富裕層にとってはお金を増やすことも重要ですが、「いかにお金を守るか」がより重要です。

その観点で言うと、債券でこれだけの利回りが出れば十分だと言えます。

さらに言えば、債券のクーポンは年間2回出ることが多いので、余った資金を複利に回す機会が通常よりも多いことになります。

この余ったクーポンを再投資に回すということを実行することによって、利回りをさらに8〜10%まで向上させることも可能です。

プライベートバンクのロンバードローンを活用したLTV70%前後でのレバレッジの場合、為替高や金利高に振れようが、リーマンショック級の暴落でもマージンコールは発生しない水準なので、リスクも極限まで抑えて運用することが可能です。

また万が一、マージンコールが発生したとしても、担保を追加すればいいだけの話なので、特に大きな心配は必要ありません。

そもそも、もしリスクが高いのだとしたら、世界のリテラシーの高い富裕層や彼らの傍にいる金融アドバイザーがこぞってプライベートバンクなんて使うわけがないですよね。

お金を持っている人間や、知識のある人間、優秀な人間が何を使っているのかや、どこで運用しているのかを観察すれば、自ずと答えは見えてきます。

この戦略の真の価値は「資産の制度化」

このスキームを単なる高利回り戦略として見ると、本質を見誤ります。

むしろ重要なのは、暗号資産で築いた富を、より制度化されたウェルスマネジメントの文脈へ移し替えることにあります。

暗号資産をそのまま置いておくのではなく、海外プライベートバンクという枠組みを通じて、債券・保険・不動産・追加投資などに広げられる点が強調されています。

富裕層にとって重要なのは、単発の利回りではありません。

  • 資産の見え方
  • 金融機関からの評価
  • 相続や承継のしやすさ
  • 将来の信用供与余力
  • 国際移動時の説明可能性

こうした“資産の制度的品質”を高めていくことです。

暗号資産が巨額化した時代において、これは極めて重要な論点です。

単に「何倍になったか」ではなく、「その資産を、次の金融レイヤーにどう接続するか」が問われているのです。

ただし、実行前に必ず確認すべき論点

この戦略は魅力的ですが、万人向けではありません。

最低でも確認すべきなのは、次の2点です。

暗号資産側の担保管理

第一に、暗号資産側の担保管理です。

相場急落時のマージンコール水準、追加担保の期限などの条件を確認する必要があります。

金融機関によって条件は異なりますが、目安として、担保価値が預入時よりも3日平均で30%程度の下落した場合に、マージンコールが発生するというイメージを持っておけばよいです。

ただし、海外の金融機関の場合、マージンコールが発生したとしても、ノンリコースを実行することにより、担保を放棄して、ローンを借りパクできる制度もありますので、マージンコール自体はそこまで大きなリスクではありません。

ノンリコース制度とは、万が一返済ができなくなった場合でも、借り手の責任が担保として差し入れた資産の範囲に限定される仕組みです。つまり、担保を処分しても返済額に足りない部分について、原則として借り手の他の財産にまで請求されないのが特徴です。

最低預入金額

第二に、暗号資産担保ローンやプライベートバンクの最低預入金額です。

いずれも富裕層向けのサービスですので、最低預入金額は、

  • 暗号資産担保ローンが10BTC
  • 海外プライベートバンクが100万USD

と高い水準に設定されています。

こちらの水準をクリアできる方のみが実行できる、選ばれしものだけのスキームと言っても過言ではありません。

本稿でが示しているのは、「暗号資産富裕層も、ついに伝統金融の上流へ本格接続できる時代に入った」というメッセージです。

これは誇張ではなく、一定の条件を満たす層にとっては、大きな革命的な転換点です。

ただし、その本質は「暗号資産で簡単にプライベートバンクが開ける」という話ではありません。

正確には、暗号資産を担保にして、金融機関が受け入れやすい流動性へ変換し、そのうえで高品質な債券運用や信用供与を組み合わせるという、より高度な資産戦略です。

富裕層の資産運用は、もはや「何を買うか」だけでは決まりません。

どの法域で、どの金融機関を使い、どの担保を差し入れ、どの信用を引き出し、どの税務で着地させるか。

その設計こそが、これからの資産防衛と資産拡大の核心です。

暗号資産長者もプライベートバンクの道が開かれる

今回のポイントは三つです。

第一に、暗号資産そのものではなく、暗号資産を担保にした流動性が、海外プライベートバンクへの接続手段になること。

第二に、「債券で10%」は単純な債券投資ではなく、レバレッジと資金調達コスト管理を前提とする高度な戦略であること。

第三に、成功の鍵は利回りの高さではなく、KYC、担保管理、為替、税務まで含めた全体設計にあることです。

暗号資産で大きな資産を築いた方ほど、次に問われるのは“増やし方”ではなく“制度にどう乗せるか”です。

このテーマに関心がある方は、暗号資産、海外プライベートバンク、海外移住、国際税務を別々に考えるのではなく、ひとつの資産戦略として統合的に見直すことをおすすめします。

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