MM2Hはもう終わった?住宅購入必須の連邦制度と「買わずに住む」3つの代替ルート【2026年最新】

「MM2Hは、もう富裕層向けの長期滞在制度ではないのか」。2026年の条件を見ると、そう感じる方が増えるのも無理はありません。連邦MM2Hは現在も続いています。しかし、定期預金だけでなく住宅購入、保有期間、滞在日数、就労条件まで含めて判断しなければならない制度へ変わりました。

私は、制度名から選ぶのではなく、資金・場所・仕事の3軸から逆算することが重要だと考えています。この記事では、連邦MM2Hの現行条件と、住宅を買わずに検討できるS-MM2H、DE Rantau Nomad Pass、Employment Pass等の選択肢を整理します。条件は2026年9月8日時点の公式情報を基準にしています。

MM2H 2026と住宅を買わずに住む3つの代替ルート
目次

MM2Hは終わっていない。変わったのは判断の前提

MM2Hの前身は1996年に始まり、2002年に現在の名称へ再編されました。制度は長くマレーシア移住の代表的な入口でしたが、現在は「申請資金を用意できるか」だけでは不十分です。住宅と定期預金によって資金が固定されるため、取得後の流動性まで見なければなりません。

MM2Hの歴史と現在地

連邦MM2Hの4カテゴリー

MOTACの公式概要では、Platinum、Gold、Silver、SEZ・SFZの4カテゴリーが示されています。Platinumは100万米ドルの定期預金と200万リンギット以上の住宅、Goldは50万米ドルと100万リンギット以上、Silverは15万米ドルと60万リンギット以上が基準です。Platinum、Gold、Silverの最低年齢は25歳です。

SEZ・SFZは21歳以上が対象で、定期預金は21〜49歳が6万5,000米ドル、50歳以上が3万2,000米ドル。住宅はジョホール州の外国人取得ルールに従い、対象物件を開発業者から直接購入する必要があります。安価に見えても、居住地域と物件選択の自由度を確認すべき枠です。

連邦MM2Hの現行条件比較

最低金額の先にある4つの制約

1. 定期預金の流動性

承認後は元本の最大50%まで引き出せますが、住宅、教育、医療、国内観光など認められた用途に限られます。預金残高は資産であっても、必要な時に自由に使える現金とは同じではありません。

2. 住宅の出口

MOTACの現行ガイドラインでは住宅購入が必須で、原則として10年間は売却できません。より高額な住宅への買い替えは認められますが、生活拠点を変えたい時の出口は限定されます。

3. 年間滞在

2026年2月10日更新の現行公式案内では、50歳未満は年間累計90日の滞在が必要で、50歳以上には最低滞在要件がありません。家族を含む実際の生活計画と照合する必要があります。

4. 就労・事業

就労・事業・投資活動が原則認められるのはPlatinumです。Gold、Silver、SEZ・SFZで働く場合は、仕事内容や雇用主体に適した別のパスを確認しなければなりません。

MM2Hで確認すべき定期預金、住宅、滞在、就労の制約
年間滞在は現行公式案内を優先し、50歳未満は90日、50歳以上は最低滞在要件なしとして判断します。

申請前に見るべき「資金・場所・仕事」

資金では、資産総額より流動性を重視します。定期預金と住宅購入後も、2〜3年分の生活費、医療費、帰国・第三国への移動費、為替変動への余力、事業資金が残るかを試算します。

場所では、クアラルンプール、ペナン、ジョホール、サラワクで生活環境、医療、教育、移動、気候、住宅価格、適用制度が異なります。購入前に試住し、通院、買い物、渋滞、雨季、空港アクセスまで確認するのが現実的です。

仕事では、退職者、海外企業のリモート勤務者、マレーシア企業の被用者、現地事業の経営者で適切な資格が変わります。法人設立だけで本人の就労・滞在資格が自動的に認められるわけではありません。

マレーシア長期滞在を判断する資金、場所、仕事の3軸

住宅を買わずに検討できる3つのルート

S-MM2H:サラワクを生活の中心にできる人

サラワク州の現行ガイドラインでは、30歳以上、1申請当たり50万リンギットの定期預金、サラワク州内で年間30日の滞在などが示されています。住宅購入は任意で、期間は5年、条件を満たせばさらに5年更新できます。サラワクを生活の中心にできる退職者には有力ですが、西マレーシアとの往来や居住可能範囲は個別確認が必要です。

DE Rantau:海外の仕事をオンラインで続ける人

MDECの現行FAQでは、主申請者は18歳超、期間は3〜12か月、追加で最大12か月更新可能です。年間所得基準は技術・デジタル職が2万4,000米ドル超、非技術職が6万米ドル超。住宅購入は不要ですが、主制度の対象はマレー半島とラブアンで、雇用契約・業務委託契約など実際の仕事を示す必要があります。

Employment Pass等:マレーシアで実際に働く人

マレーシア企業に雇用される場合や、実態ある現地事業を運営する場合は、Employment Passなど就労目的に合う資格を検討します。2026年6月1日からEmployment Passの給与基準が改定され、Category Iは月額2万リンギット以上、IIは1万〜1万9,999リンギット、IIIは5,000〜9,999リンギットです。会社側と本人側の双方に審査要件があり、ペーパーカンパニーの設立だけでは足りません。

住宅を買わずに検討できるS-MM2H、DE Rantau、Employment Pass

3タイプ別の優先ルート

  • 長期の本拠地として住宅を保有したい退職者:連邦MM2Hから確認。ただし10年保有、流動性、年間滞在、医療と相続まで試算します。
  • 住宅を買わず、サラワク生活を受け入れられる退職者:S-MM2Hから確認。地域との相性を試住で確かめます。
  • 海外の仕事を続けるリモート勤務者、または現地で働く経営者・専門職:DE RantauまたはEmployment Pass等から確認。仕事の実態と滞在資格を分けずに設計します。
生活設計別に見るマレーシア長期滞在の優先ルート

解説を動画で確認する

制度の数字だけでなく、資金の固定、住宅の出口、場所と仕事の組み合わせをどう判断するかを、図解を交えて整理しました。

YouTubeで解説を視聴する

結論:最安ではなく、将来の自由度で選ぶ

重要なのは、最も安いビザを探すことではありません。どこに住み、何をして、資金をどれだけ固定し、状況が変わった時にどの出口が残るのか。この順番で考えると、同じ資産額でも適切な制度は変わります。

現在、生活・仕事・家族・資産の条件から候補を絞り、マレーシアを含む8地域の比較、滞在ルート診断、政府・税務当局・移民局等の一次情報確認、移住計画、準備と進捗管理を一つの流れにまとめる無料Webアプリ「海外移住OS」を、一般公開に向けて開発しています。海外移住OSの一般公開案内は、公式LINEで受け取れます。

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